
離乳食のだしは、離乳を始める生後5〜6か月頃から、おかゆや野菜ペーストをのばすやさしいだしとして使い始められます。昆布や野菜のだしから始め、かつおだしは少し慣れてから加える進め方が一般的に紹介されていますが、種類ごとの開始時期には情報源によって幅があります。市販のだしは「何か月から」という表記よりも、調味料を含むかどうかで使い始める時期を判断するのがポイントです。
だしを使い始める時期の基本
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳の開始は生後5〜6か月頃が適当とされています。この時期は調味料は必要なく、素材の味を生かすことが基本です。そのうえで、昆布やかつおなどのだしのうま味を活用すると、薄味のままでも食べやすくなるとされています。
つまり、だしは「味付けが始まってから使うもの」ではなく、離乳食の最初の段階から、食材をのばしたり、うま味を少し足したりするために使えるものです。ただし、この場合の「だし」は、昆布や野菜などの素材からとった、調味料を含まないだしを指します。
使い始めを考えるときの3つの基準
- 素材は何か(昆布・野菜・かつお・煮干し・鶏など)
- 調味料(食塩・しょうゆなど)を含むか
- お子さまが、その素材を初めて口にするかどうか
なお、同ガイドでは、離乳の時期を初期(5〜6か月頃)・中期(7〜8か月頃)・後期(9〜11か月頃)・完了期(12〜18か月頃)の目安で示していますが、進み方には個人差があります。この記事の月齢も、あくまで目安としてお読みください。
種類別・使い始めの目安
離乳食の本や自治体の資料などで一般的に紹介されている、だしの種類ごとの使い始めの目安をまとめました。お子さまの食べ進み具合によって前後してかまいません。
| だしの種類 | 使い始めの目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 野菜だし(野菜のゆで汁) | 初期から | すでに食べている野菜から。にんじんや玉ねぎなど甘みのある野菜が使いやすい |
| 昆布だし | 初期から | うま味がやさしく、初期のおかゆをのばすのに向く。毎日濃く使い続けない |
| かつおだし | 初期の後半〜中期ごろから | 魚が素材。最初はひとさじから試す |
| 合わせだし(かつお+昆布) | かつお・昆布それぞれに慣れてから | 両方を試してから組み合わせると、何に反応したか分かりやすい |
| 煮干しだし | 中期以降が目安 | 頭と内臓を取り、短時間で。風味が強いので薄めに |
| 鶏がらなどのスープ | 中期〜後期以降が目安 | 手作りなら脂を取り除く。市販の中華だし・スープの素は食塩を含むものが多い |
昆布だしの取り方やヨウ素の注意は「離乳食の昆布だし」、かつおだしの作り方とアレルギーの確認手順は「離乳食のかつおだし」で詳しく解説しています。
中華だし・洋風だしはいつから?
「中華だし」「洋風だし」として売られている顆粒や固形の商品は、多くの場合、食塩や調味料で味が付いた調味料です。離乳食の初期・中期には使わず、使う場合でも後期以降に、大人の料理に使うよりずっと少ない量にとどめるのが無難です。鶏肉や野菜を煮た煮汁を使えば、調味料なしで中華風・洋風のうま味を出すこともできます。使い方は「離乳食のだし巻き卵・中華だし・洋風だしの使い方」で紹介しています。
かつおだしの開始時期に幅がある理由
「かつおだしはいつから?」と調べると、初期からとする情報もあれば、中期からとする情報もあり、迷う方が多いところです。これには理由があります。
公的資料では種類ごとの開始月齢は決められていない
授乳・離乳の支援ガイドでは、「だしのうま味を活用して薄味に」という考え方は示されていますが、昆布は何か月、かつおは何か月、という種類ごとの開始時期は定められていません。そのため、本や育児サイト、自治体の資料ごとに、それぞれの考え方で目安が書かれています。
幅が出る主な理由
- 素材が魚であること:かつおは魚なので、白身魚など魚を食べ始める時期に合わせて考える資料が多く、中期寄りの目安になりやすくなります。
- だし汁と身の違い:だし汁は身そのものではないため、早い時期から少量なら使えるとする考え方もあります。
- 風味の強さ:昆布に比べて香りが強いため、まずは昆布や野菜で慣れてから、とする考え方もあります。
どの目安が正しいというより、「調味料を含まないだしを、ひとさじから、お子さまの様子を見て」という進め方はどの情報でも共通しています。判断に迷う場合や、魚で気になる症状が出たことがある場合は、かかりつけの小児科に相談してから始めると安心です。
時期別のだしの量と食塩の考え方
だしそのものの量に決まった基準はありません。離乳食では、食材をなめらかにしたり、やわらかく煮たりするための水分として、必要な分だけ使うのが基本です。時期ごとの考え方を整理します。
| 時期の目安 | だしの使い方と量の考え方 | 食塩の考え方 |
|---|---|---|
| 初期(5〜6か月頃) | ペーストやおかゆを飲み込みやすい固さにのばす分だけ | 調味料は不要。調味料を含まないだしだけを使う |
| 中期(7〜8か月頃) | 煮物の煮汁やとろみのある汁として。うま味で薄味のまま食べやすく | 基本はだしのうま味だけで。調味料を使うならごく少量 |
| 後期(9〜11か月頃) | 汁物・煮物・おじやなど、だしを使う料理が増える | だしと調味料を合わせても薄味に。だしが濃すぎないよう注意 |
| 完了期(12〜18か月頃) | 取り分けが増える。大人の料理の味付け前に取り分ける | 1歳以降は1日の食塩相当量の目安を意識する |
1歳以降は「1日の合計」で考える
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、食塩相当量の目標量は1〜2歳で1日3.0g未満、3〜5歳で1日3.5g未満とされています。食塩を含む市販だしを使う場合は、パン・うどん・チーズなど、ほかの食品に含まれる食塩とあわせた1日の合計で考えます。
例として、当社の「かつおと昆布のうまみだし」は1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145gです。これは1〜2歳の目標量3.0gの約5%にあたります(0.145÷3.0で計算)。だしの量そのものより、「食塩を含むものを1日にどれだけ使っているか」を把握しておくことが大切です。
市販のだしは何か月から使える?
市販のだしを使い始める時期は、商品名よりも中身で判断します。メーカーとしておすすめしている確認の順番は次のとおりです。
- 原材料表示を見る:食塩・しょうゆ・エキス類・調味料(アミノ酸等)などが入っているかを確認します。かつお節や昆布など素材だけのものは、手作りのだしに近い感覚で使えます。
- 食塩相当量を1回量に換算する:表示が100gあたりか1杯あたりかを確認し、実際に使う量に直して比べます。換算の方法は「離乳食のだし市販のおすすめ」で詳しく紹介しています。
- 対象月齢の表示を見る:ベビー用として売られているだしには対象月齢が書かれていることが多いので、表示に従います。
目安としては、調味料を含まない素材だけのだしは手作りと同じ時期から、食塩やしょうゆを含むだしは味付けを始める後期以降に少量から、と考えると判断しやすくなります。
だしパック、粉末・顆粒などタイプごとの選び方は、「離乳食のだしパックの選び方と使い方」「離乳食の粉末だし・顆粒だし」で解説しています。
初めてのだしの試し方
だしの種類を初めて使うときは、新しい食材を試すときと同じように考えます。
- 1種類ずつ試す:昆布とかつおを同時に始めず、片方に慣れてからもう片方へ。合わせだしは両方を試した後にします。
- ひとさじから:最初はいつものおかゆに少量混ぜる程度にし、様子を見ながら量を増やします。
- 受診しやすい時間に:初めての素材は、体調のよい日の、医療機関を受診しやすい時間帯に試すと安心です。
- 様子を記録する:いつ、何のだしを、どのくらい使ったかをメモしておくと、気になる様子があったときに相談しやすくなります。
口の周りが赤くなる、じんましんが出る、吐くなどの様子が見られた場合は使用を中止し、医療機関に相談してください。また、はちみつは乳児ボツリヌス症のおそれがあるため、1歳未満には与えません。だしを使ったレシピで甘みを足す場合も同様です。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
離乳食を卒業した後は、だしの使い方の幅が広がります。はぐくみユーグレナの「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味に、ユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、カルシウム100mg、鉄1.7mg。うどんやおにぎり、味噌汁、卵焼きなど普段の料理に小さじ1杯加えるだけで使えます。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半ごろ〜が目安)です。離乳食期には使わず、完了後に様子を見ながら量や濃さを調節してください。小麦・大豆・乳成分を含みます。食物繊維を使用しているため、便がゆるくなる場合があります。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 離乳食のだしは生後何か月から使えますか?
A. 調味料を含まない昆布や野菜のだしなら、離乳を始める生後5〜6か月頃から、おかゆや野菜ペーストをのばすのに使えます。かつおだしは初期の後半〜中期ごろからとする情報が多く、資料によって幅があります。
Q. かつおだしの開始時期が本やサイトで違うのはなぜですか?
A. 公的資料では、だしの種類ごとの開始月齢は決められていないためです。かつおは魚が素材であることや風味の強さから、資料ごとに初期〜中期と目安が分かれています。調味料を含まないだしを、ひとさじから様子を見て試す点はどの情報でも共通です。
Q. 市販の中華だしは離乳食に使えますか?
A. 市販の中華だしやスープの素は食塩や調味料を含むものが多いため、初期・中期には使わず、使うなら後期以降にごく少量にとどめるのが無難です。鶏肉や野菜の煮汁を使えば、調味料なしで中華風のうま味を出せます。
Q. かつおと昆布のうまみだしは何歳から使えますか?
A. 対象は離乳食を完了したお子さまで、1歳半ごろからが目安です。離乳食期には使わず、完了後に普段の料理にひとさじ加え、様子を見ながら量や濃さを調節してください。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。