
離乳食の味付けのレパートリーは、調味料の種類を増やすより「だしの種類」「食材の組み合わせ」「食感」の3つを掛け合わせると広がります。うどん・スープ・卵・ご飯もの・豆腐・野菜スティックなど、よく使う食材ごとに、調味料に頼らない味の変え方をまとめました。だしメーカーとして、だしの使い分けを中心に具体例を紹介します。
目次
レパートリーを増やす3つの軸
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳食は素材の味を生かし、だしのうま味を活用して薄味にすることがすすめられています。初期は調味料は不要です。この「薄味」の範囲の中で変化をつけるには、次の3つの軸を意識すると考えやすくなります。
- だしの種類:昆布・かつお・野菜・鶏のゆで汁など、うま味の種類を変える
- 食材の組み合わせ:甘みのある野菜、うま味のある魚や肉、香りのある青のりなどを組み合わせる
- 食感・形:とろみ、ペースト、刻み、スティック、おやきなど形を変える
たとえば「にんじん」だけでも、昆布だしで煮てペーストに、かつおだしで煮てスティックに、野菜の煮汁でスープに、と変えれば3通りになります。調味料を足さなくても、組み合わせ次第で献立は大きく変わります。月齢ごとの味付けの目安は離乳食の味付け 月齢別早見表をご覧ください。
食材別・味付けの工夫早見表
よく使う食材ごとに、調味料に頼らない味付けの工夫をまとめました。時期は目安で、食材の進め方はお子さまの様子に合わせてください。
| 食材 | 味付けの工夫 | 合わせやすいだし |
|---|---|---|
| うどん | ゆでて水で洗い、だしで煮る。野菜やしらす(塩抜き)を加える | かつお・昆布 |
| おかゆ・おじや | だしで炊く、だしでのばす。野菜や魚を混ぜる | 昆布・野菜 |
| 豆腐 | だしで煮てとろみをつける。野菜あんをかける | かつお・昆布 |
| 卵 | だしを加えて卵焼きや卵とじに。中心までしっかり加熱 | かつお・昆布 |
| 白身魚 | だしで煮てほぐし、とろみでまとめる | 昆布・野菜 |
| 鶏ささみ | ゆで汁ごと使う。片栗粉をまぶしてやわらかく | 鶏のゆで汁・野菜 |
| にんじん・かぼちゃ | だしで煮てペーストやスティックに | 昆布・かつお |
| 野菜スープ | 複数の野菜を煮て甘みとうま味を重ねる | 野菜 |
昆布はヨウ素を多く含む食品です。表の中で昆布だしが続く場合も、毎日濃く、大量に使い続けるのは避け、かつお・野菜のだしなどと組み合わせてください。
うどん・ご飯もの(おかゆ・おじや)
うどんの味付け
うどんは商品によって食塩を含むものがあります。パッケージの表示を確認し、ゆでたあと水で洗ってから使うと、うどん自体の塩気を控えられます。そのうえで、だしで煮れば調味料なしでも十分に風味が出ます。
- かつおだしうどん:刻んだうどんを、かつおと昆布のだしでやわらかく煮る
- 野菜あんかけうどん:にんじん・玉ねぎ・青菜をだしで煮て、とろみをつけてかける
- トマト煮込みうどん:湯むきして種を除いたトマトと野菜だしで煮る
おかゆ・おじやの味付け
白がゆに慣れたら、だしで炊く・だしでのばすだけで味の印象が変わります。後期以降は、野菜や魚、豆腐を混ぜたおじやにすると、1品で食材の数を増やせます。
- だしがゆ:昆布だしや野菜だしで炊いたおかゆ。炊き方は離乳食のおかゆをだしで炊く方法で解説しています
- 鮭と青菜のおじや:ほぐした鮭(皮と骨を除く)と刻んだ青菜をだしで煮て、おかゆを加える
- かぼちゃのおじや:かぼちゃの甘みとだしのうま味で、調味料なしでも食べやすい
スープ・汁物
スープは、だしの種類を変えるだけで和風・洋風・中華風と印象を変えられる、レパートリーを広げやすいメニューです。
- 和風の野菜汁:かつおと昆布のだしで、大根・にんじん・豆腐を煮る
- 洋風の野菜スープ:玉ねぎ・キャベツ・にんじんなどを煮た煮汁をそのままスープに
- 中華風のかき玉スープ:鶏のゆで汁に野菜を入れて煮て、溶き卵を加えてしっかり加熱する
市販のコンソメや中華だしの素は食塩を含むものが多いため、離乳食期は手作りのだしや煮汁を中心に考えるのが安心です。和風・中華・洋風のだしの使い分けは離乳食のだし巻き卵・中華だし・洋風だしの使い方で詳しく紹介しています。
卵・豆腐・魚・肉
卵
卵は特定原材料に含まれる食品です。固ゆでの卵黄から少量ずつ始め、全卵へ進めるのが一般的な進め方です。だしを加えた卵とじや卵焼きは、卵に慣れてからのメニューです。いずれも中心までしっかり加熱してください。
豆腐
豆腐はそのままだと味が淡いため、だしで煮るだけで食べやすくなります。だしで煮た野菜とあんにしてかける、つぶしておかゆに混ぜるなどの使い方があります。
魚・肉
白身魚や鶏ささみは、加熱するとぱさつきやすい食材です。だしで煮て、とろみでまとめると口当たりがよくなります。赤身の魚や肉、レバーは、鉄を含む食材として後期以降の献立に取り入れやすい食材です。鉄は乳児期後半から幼児期に不足しやすい栄養素とされています。
野菜スティック・手づかみメニュー
手づかみ食べの時期は、「持ちやすい形」に「だしのうま味」を含ませるのがポイントです。
- だし煮の野菜スティック:にんじん・大根・さつまいもなどを、だしで指でつぶせるやわらかさまで煮る。煮汁ごと冷ますと味がしみます
- おやき:おかゆやじゃがいもに、だしで煮た刻み野菜を混ぜて焼く
- 豆腐ハンバーグ:豆腐と鶏ひき肉に刻み野菜を混ぜて焼き、だしあんをかける
スティックのやわらかさは、指で軽く押してつぶれる程度が目安です。かたさが合っていないと、味に関係なく食べにくくなります。
マンネリを防ぐ「だしローテーション」
毎日の献立を考えるのが大変なときは、食材ではなく「だし」を日替わりにすると、同じ食材でも違う味になります。
| だし | 味の印象 | 向くメニュー |
|---|---|---|
| 昆布 | くせが少なく、やさしい | おかゆ、白身魚、野菜ペースト |
| かつお | 香りがしっかり | うどん、煮物、卵とじ |
| 野菜の煮汁 | 甘みがある | 洋風スープ、トマト煮 |
| 鶏のゆで汁 | コクがある | 中華風スープ、おじや |
だしをまとめて取って冷凍しておくと、日替わりで使い分けやすくなります。作り方は離乳食のだし汁の作り方と冷凍保存を参考にしてください。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味に、ユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。うどん・おにぎり・味噌汁・卵焼き・煮物などに小さじ1杯加えるだけで使え、1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、カルシウム100mg、鉄1.7mgです。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半ごろ〜が目安)です。離乳食期には使わず、完了後に様子を見ながら量や濃さを調節してください。小麦・大豆・乳成分を含みます。食物繊維を使用しているため、便がゆるくなる場合があります。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 離乳食のうどんはどう味付けすればいいですか?
A. うどんは商品によって食塩を含むため、表示を確認し、ゆでたあと水で洗ってから使います。そのうえでかつおや昆布のだしで煮れば、調味料を使わなくても風味が出ます。野菜を加えたりとろみをつけたりすると変化をつけられます。
Q. 豆腐に味付けは必要ですか?
A. 調味料で味付けする必要はありません。豆腐は味が淡いので、だしで煮る、だしで煮た野菜のあんをかけるなど、だしのうま味で食べやすくするのがおすすめです。
Q. 味付けのマンネリを防ぐコツはありますか?
A. 調味料ではなく、だしの種類を日替わりにする方法があります。昆布・かつお・野菜の煮汁・鶏のゆで汁を使い分けると、同じ食材でも味の印象が変わります。食感や形を変えると、さらに変化をつけやすくなります。
Q. 野菜スティックはどう味付けすればいいですか?
A. だしで指でつぶせるやわらかさまで煮て、煮汁ごと冷ますと味がしみます。調味料を加える必要はありません。かたさが合っているかも確認してください。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。