
離乳食のだし巻き卵は、全卵に慣れてから、だしを加えて中心までしっかり加熱して作ります。中華だし・洋風だしは、市販の顆粒の素は食塩を含むものが多いため、離乳食期は鶏のゆで汁や野菜の煮汁を「中華風」「洋風」のだしとして使うのが基本です。この記事では、和風・中華・洋風のだしの使い分けと、時期の目安、簡単なレシピの考え方を紹介します。
和風・中華・洋風だしの使い分け
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳食はだしのうま味を活用して薄味にすることがすすめられています。だしというと和風のかつおや昆布を思い浮かべがちですが、鶏肉や野菜を煮た汁も立派なだしです。素材を変えれば、調味料に頼らずに中華風・洋風の味を作れます。
| だし | 離乳食での主な材料 | 合う料理 |
|---|---|---|
| 和風だし | かつお節、昆布 | だし巻き卵、うどん、煮物、おかゆ |
| 中華風だし | 鶏ささみ・鶏むね肉のゆで汁、長ねぎ・白菜などの煮汁 | かき玉スープ、あんかけ、春雨や野菜の煮込み |
| 洋風だし | 玉ねぎ・にんじん・キャベツ・セロリなどの煮汁、鶏のゆで汁 | 野菜スープ、トマト煮、ミルク煮 |
どのだしも、使う食材がお子さまにとって初めてのものであれば、少量から様子を見て進めてください。時期の区切りは目安で、進み方には個人差があります。
和風だしの基本
和風だしは、昆布とかつお節が中心です。昆布だしはくせが少なく初期から使いやすく、かつおだしは香りがしっかりしているので、慣れてきた時期の煮物や卵料理に向きます。
「和風だしの素」として売られている顆粒や粉末には、食塩やしょうゆ、エキス類を含むものがあります。その場合はだしを使うこと自体が味付けになるので、栄養成分表示の食塩相当量を確認してください。
昆布はヨウ素を多く含む食品です。昆布だしを毎日濃く、大量に使い続けるのは避け、かつお・野菜・鶏のだしなどと組み合わせて使うと安心です。
離乳食のだし巻き卵(フライパン・レンジ)
だし巻き卵はいつから?
卵は特定原材料に含まれる食品です。一般的には、固ゆでの卵黄を少量から始め、慣れたら全卵へ進めます。だし巻き卵は全卵を使うので、全卵を少量ずつ食べて問題がないことを確認してからのメニューです。進め方に不安がある場合は、かかりつけ医や自治体の離乳食教室の資料を確認してください。
フライパンで作る手順
- 卵をよく溶きほぐし、だしを加えて混ぜます。だしは卵液がゆるくなりすぎない程度に少量にします。多すぎると固まりにくく、巻きにくくなります。
- フライパンに薄く油をなじませ、弱めの火で卵液を流し入れます。
- 半熟のうちに巻くのではなく、中まで火が通るまで焼いてから巻きます。離乳食では「ふんわり半熟」ではなく、しっかり加熱が基本です。
- 粗熱を取り、食べやすい大きさに切ります。手づかみ食べの時期はスティック状にすると持ちやすくなります。
電子レンジで作る手順
- 耐熱容器に薄く油を塗り、だしを加えた卵液を入れます。
- ラップをふんわりかけ、短い時間ずつ加熱しては取り出して混ぜることを繰り返します。
- 全体が固まり、中心まで火が通ったら、熱いうちにラップや巻きすで包み、軽く押さえて棒状にまとめます。
電子レンジは機種や容器によって加熱の進み方が違います。加熱しすぎると卵がはねることがあるので、少しずつ様子を見ながら加熱してください。
アレンジ
- だしで煮た青菜やにんじんを刻んで混ぜる
- しらすを加える場合は、熱湯をかけて塩抜きしてから
- 卵液をおかゆに流してとじる「卵がゆ」にする
離乳食の中華だし
市販の中華だしの素や鶏がらスープの素は、食塩を含むものが多く、香辛料やエキス類が使われているものもあります。離乳食期には、次のような手作りの「中華風だし」が使いやすいでしょう。
鶏ささみのゆで汁で作る中華風だし
鶏ささみや鶏むね肉を水からゆでると、そのゆで汁がうま味のあるだしになります。肉はほぐして料理に使い、ゆで汁は表面の脂やアクを取り除いてから使います。長ねぎや白菜を一緒に煮ると、中華らしい香りと甘みが加わります。
中華風のレシピ例
- かき玉スープ:中華風だしで刻んだ白菜やにんじんを煮て、片栗粉でとろみをつけ、溶き卵を流してしっかり加熱する
- あんかけ:中華風だしでとろみあんを作り、豆腐や白身魚、おかゆにかける
- 野菜と鶏の煮込み:ほぐした鶏ささみと野菜を中華風だしでやわらかく煮る
ごま油などで香りをつけたい場合は、離乳食が進んでからごく少量にとどめます。ごまも、初めてのときは少量から様子を見てください。
離乳食の洋風だし
洋風だしの代わりになるのが、野菜の煮汁です。玉ねぎ・にんじん・キャベツなどをやわらかく煮ると、甘みとうま味が煮汁に出ます。鶏のゆで汁と合わせると、コクのある洋風スープになります。
野菜の煮汁で作る洋風だし
複数の野菜を一緒に煮ると、1種類のときより味に奥行きが出ます。煮た野菜はつぶしたり刻んだりしてそのまま食べられるので、だしと具を同時に用意できます。製氷皿などで小分けに冷凍しておくと便利です。
洋風のレシピ例
- 野菜のポタージュ風:洋風だしで煮た野菜をなめらかにつぶし、煮汁でのばす
- トマト煮:湯むきして種を除いたトマトを洋風だしで煮て、白身魚や鶏ささみと合わせる
- ミルク煮:洋風だしで煮た野菜に、育児用ミルクを加えて煮る(乳製品を初めて使うときは少量から)
市販の顆粒だし・スープの素を使うときの見方
市販のコンソメや中華だしの素を使う場合は、次の点を確認してください。
- 栄養成分表示の食塩相当量と、それが何gあたりの値か
- 「表示の食塩相当量 ÷ 表示の基準量 × 1回に使う量」で、1回量あたりに換算した値
- 原材料に含まれるアレルゲン(乳成分・小麦・大豆など)
- 香辛料やエキス類が含まれていないか
離乳食期は手作りのだしを中心にし、市販品は離乳完了後に取り分けの料理で使うなど、時期で使い分けると考えやすくなります。市販だしの比べ方は離乳食のだしの選び方、スープの市販品の考え方は離乳食のスープは市販でいい?でも解説しています。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味に、ユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。卵焼きの卵液や味噌汁、うどんなどに小さじ1杯加えるだけで使えます。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、カルシウム100mg、鉄1.7mgです。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半ごろ〜が目安)です。離乳食期には使わず、完了後に様子を見ながら量や濃さを調節してください。小麦・大豆・乳成分を含みます。食物繊維を使用しているため、便がゆるくなる場合があります。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 離乳食のだし巻き卵はいつから食べられますか?
A. だし巻き卵は全卵を使うため、卵黄から始めて全卵を少量ずつ食べられることを確認してからのメニューです。月齢だけで決めず、お子さまの進み具合に合わせてください。作るときは中心までしっかり加熱します。
Q. 離乳食に市販の中華だしやコンソメを使ってもいいですか?
A. 市販の中華だしの素やコンソメは食塩を含むものが多いため、離乳食期は鶏のゆで汁や野菜の煮汁を中華風・洋風のだしとして使うのが安心です。市販品を使う場合は、食塩相当量を1回量に換算し、原材料やアレルゲンも確認してください。
Q. だし巻き卵を電子レンジで作るときの注意点は?
A. 機種や容器によって加熱の進み方が違うため、短い時間ずつ加熱しては混ぜることを繰り返し、中心まで火が通ったことを確認してください。加熱しすぎると卵がはねることがあります。
Q. 洋風だしは何で作ればいいですか?
A. 玉ねぎ・にんじん・キャベツなどの野菜をやわらかく煮た煮汁が洋風だしの代わりになります。鶏のゆで汁と合わせるとコクが出ます。煮た野菜はそのまま具として使えます。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。