
離乳食を食べないのは、多くの保護者が経験するよくある悩みです。体重が順調に増え、母乳やミルクを飲めていて機嫌よく過ごせているなら、まずは焦らず「食べる時間」「形状・固さ」「味(うま味)」を一つずつ見直すところから始めて大丈夫です。この記事では、だしメーカーの立場から、よくある原因と対策、うま味を生かした工夫、月齢別のポイント、受診・相談の目安をまとめます。
目次
まず確認したいこと
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳の開始は生後5〜6か月頃が目安で、進み方には個人差があるとされています。同じ月齢でも、よく食べる日とほとんど口を開けない日があるのは珍しいことではありません。
「食べない」が気になったときは、1回の食事量だけで判断せず、数日から数週間の流れで次の点を見てみてください。
- 体重が母子健康手帳のグラフの帯に沿って増えているか
- 母乳・ミルクを飲めていて、おしっこやうんちがいつもどおり出ているか
- 起きている時間に機嫌よく遊べているか
- 日によって量が違うだけなのか、ずっとほとんど口にしない状態が続いているのか
これらに大きな心配がなければ、離乳食の量が少ない時期があっても、母乳やミルクから栄養をとりながら少しずつ食べることに慣れていく段階と考えられます。反対に、体重が増えない、ぐったりしているといった様子がある場合は、後半の「受診・相談の目安」を確認してください。
離乳食を食べないよくある原因
タイミングが合っていない
眠いとき、授乳した直後でおなかがすいていないとき、反対に空腹が強すぎて泣いているときは、食べる気持ちになりにくいものです。遊びに夢中な時間帯も、口を開けてくれないことがあります。
形状や固さが合っていない
なめらかすぎて物足りない、つぶつぶが残っていて飲み込みにくい、水分が少なくパサつくなど、形状が合っていないと口から出してしまうことがあります。月齢の目安よりも、お子さまの口の動きに合っているかが大切です。
味・温度・感触になじみがない
初めての食材、冷たい・熱い温度、スプーンの金属や大きさなど、大人が気づきにくい点を嫌がることもあります。初めての味は、何度か出すうちに慣れることも多いものです。
体調や環境の変化
歯が生えかけている、鼻がつまっている、かぜ気味、引っ越しや入園で生活が変わったなど、体調や環境の変化で一時的に食べなくなることがあります。
「自分でやりたい」気持ちが出てきた
月齢が進むと、スプーンを持ちたい、食べ物を手で触りたいという気持ちが出てきます。食べさせてもらうのを嫌がるのは、食べることへの関心の表れでもあります。
見直しの順番と具体的な対策
原因は一つとは限らないため、変えやすいところから順に試し、数日ようすを見るのがおすすめです。一度に全部を変えると、何が合っていたのかが分かりにくくなります。
| 見直す点 | 確認すること | 試したいこと |
|---|---|---|
| 時間 | 眠い・おなかがいっぱいの時間ではないか | 機嫌のよい時間に移す。食事の前の授乳を控えめにする |
| 姿勢 | 足の裏が支えられ、体が安定しているか | 椅子の高さやクッションで座る姿勢を安定させる |
| 形状 | 口の動きに対して固すぎ・なめらかすぎないか | ひとつ前の段階に戻す、水分やとろみで食べやすくする |
| 味 | 同じ味が続いていないか | だしや野菜スープでのばして、うま味を加える |
| 終わり方 | 長時間続けていないか | 嫌がったら無理に続けず、さっと切り上げる |
食べなかった日は「今日は合わなかった」と記録しておくと、次に試すときの手がかりになります。食べさせることより、食卓で楽しく過ごす時間を続けることを優先して構いません。
うま味を生かして薄味のまま食べやすくする
支援ガイドでは、離乳食は素材の味を生かし、昆布やかつおなどのだしのうま味を活用して薄味にすることがすすめられています。初期は調味料は必要ないとされている時期です。味が物足りなそうに見えても、塩やしょうゆを足す前に、だしのうま味で食べやすくできないかを考えてみてください。
- おかゆや野菜のペーストを、昆布だしや野菜スープでのばす:水でのばすより香りとうま味が加わります。
- 食べ慣れた食材に、新しい食材を少し混ぜる:慣れたおかゆに、だしで煮た野菜を少量混ぜると受け入れやすくなることがあります。
- だしの種類を変えてみる:昆布、かつお、野菜のだしを日によって変えると、同じ食材でも風味が変わります。
昆布はヨウ素を多く含むため、昆布だしを毎日濃く、大量に使い続けるのは避け、かつお・野菜などのだしと組み合わせてください。市販のだしを使う場合は、食塩やしょうゆが含まれていないか原材料表示を確認します。だしを始める時期は「離乳食のだしはいつから?」で詳しく解説しています。
月齢別「食べない」の特徴
「食べない」の理由は、時期によって変わります。お子さまの月齢に近い記事もあわせてご覧ください。
| 時期の目安 | よくある悩み | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 初期(5〜6か月頃) | 口を開けない、舌で押し出す | 離乳食初期に食べない時の進め方 |
| 7か月頃 | 形状が変わって食べない、完母で進まない | 離乳食を食べない7ヶ月 |
| 8か月頃 | 食べムラ、つぶつぶを嫌がる | 離乳食を食べない8ヶ月 |
| 9か月頃 | 3回食に進めたら量が減った | 離乳食を食べない9ヶ月 |
| 10〜11か月頃 | 泣く、自分で食べたがる、やめたくなる | 離乳食を食べない10〜11ヶ月 |
| 1歳以降 | ミルクばかりで食事が進まない | 1歳の離乳食を食べない時の栄養 |
食べない時期の栄養の考え方
離乳食を始めたばかりの頃は、栄養の大部分を母乳やミルクからとっています。支援ガイドでは、離乳の完了は形のある食べ物をかみつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳・ミルク以外からとれるようになった状態とされ、12〜18か月頃が目安です。離乳食が進まない時期があっても、それまでに少しずつ慣れていけばよいと考えられます。
一方で、鉄は乳児期後半から幼児期にかけて不足しやすい栄養素とされています。後期に入ったら、食べられる範囲で赤身の魚や肉、豆腐などを、慣れた料理に混ぜて取り入れていくとよいでしょう。だしで煮てやわらかくしたり、おかゆに混ぜ込んだりすると、単品で出すより食べやすくなることがあります。
食べる量や栄養が心配なときは、自己判断でサプリメントなどに頼るのではなく、まずはかかりつけの小児科や自治体の栄養相談で、体重の推移とあわせて相談するのが確実です。
受診・相談の目安
食べない状態に次のような様子が重なる場合は、離乳食の工夫だけで様子を見ずに、医療機関や相談窓口を利用してください。
早めに受診を考えたい様子
- ぐったりしている、呼びかけへの反応がいつもより弱い
- 母乳・ミルクも含めて水分がとれない、おしっこが明らかに少ない
- 吐く、下痢が続く、発熱など体調不良を伴っている
- 食べた後に発疹、口のまわりの赤み、せき、嘔吐などが出る
かかりつけ医や相談窓口で相談したい様子
- 体重が増えない、または減っている
- むせる、飲み込みにくそうな様子が続く
- 長い期間、ほとんど何も口にしない状態が続いている
相談先には、かかりつけの小児科のほか、乳幼児健診、自治体の保健センター(保健師・管理栄養士による相談)、子育て支援センターなどがあります。アレルギーが心配な場合も、自己判断で食材を除くのではなく、医師に相談してください。
保育園で食べない・発達や感覚が気になるとき
保育園で食べないとき
家と園で食べ方が違うのはよくあることです。家庭で食べている形状・固さや、食べ慣れた食材を園の保育士・栄養士と共有すると、園での進め方を相談しやすくなります。反対に、園で食べている様子を聞いて家庭の参考にする方法もあります。
発達や感覚の特性が気になるとき
「食べない」ことだけで、発達の特性があるかどうかを判断することはできません。そのうえで、特定の食感・温度・においを強く嫌がる、食べられる物の偏りがとても強い状態が長く続くなど気になることがあれば、乳幼児健診や小児科、保健センターで相談してみてください。インターネットの情報だけで判断せず、お子さまを直接見てもらえる場所で話すことが安心につながります。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
はぐくみユーグレナの「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味に、ユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、鉄1.7mg、カルシウム100mg。うどんやおにぎり、卵焼きなど普段の料理にひとさじ加えて使えます。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半ごろ〜が目安)で、離乳食期には使いません。完了後、幼児食の栄養バランスを考える一助として、様子を見ながら量や濃さを調節してお使いください。小麦・大豆・乳成分を含みます。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 離乳食を全く食べないのですが、様子を見てもよいですか?
A. 体重が増えていて、母乳やミルクを飲めており、機嫌よく過ごせているなら、時間・形状・味を見直しながら様子を見る方法があります。体重が増えない、水分がとれない、ぐったりしているなどの様子がある場合は、早めに小児科に相談してください。
Q. 食べないときは、無理にでも食べさせたほうがよいですか?
A. 無理に口に入れると、食事の時間そのものを嫌がるようになることがあります。嫌がったら切り上げ、次の食事で時間や形状を変えて試すほうが進めやすいことが多いです。
Q. 離乳食を食べないのはアレルギーが原因ですか?
A. 食べないことだけでアレルギーかどうかは分かりません。食べた後に発疹、口のまわりの赤み、せき、嘔吐などが出る場合は受診し、自己判断で食材を除かずに医師に相談してください。
Q. だしを使うと食べるようになりますか?
A. 個人差がありますが、昆布やかつお、野菜のだしでのばすと香りやうま味が加わり、食べやすくなることがあります。初期は調味料が不要な時期なので、食塩やしょうゆを含まないだしを使い、昆布だしに偏らないようにしてください。
Q. かつおと昆布のうまみだしは離乳食に使えますか?
A. 対象は離乳食を完了したお子さまです。離乳食期には使わず、完了後(1歳半ごろが目安)に、普段の料理にひとさじ加える使い方をおすすめしています。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。