
1歳になっても離乳食をあまり食べず、ミルクや母乳ばかり飲んでいるという状態は、決して珍しいことではありません。離乳の完了は12〜18か月頃が目安で、進み方には大きな個人差があるため、1歳の時点でまだ途中にいても不自然ではないからです。まずは「ミルクと食事のタイミング」「食事の形状」「食べる環境」の3つを見直し、体重の増え方や元気さを見ながら、気になることがあれば早めに相談するのが現実的な進め方です。
目次
1歳の「食べない」はどこまで様子を見ていい?
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳の完了を「形のある食べ物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳またはミルク以外の食物からとれるようになった状態」としています。その時期の目安は12〜18か月頃で、幅があります。
つまり、1歳の誕生日を迎えた時点で「食事が中心になっていなければいけない」というわけではありません。1歳はまだ完了期の入り口であり、ここから半年ほどかけて少しずつ食事の割合が増えていく子も多くいます。
一方で、「様子を見る」ことと「何もしない」ことは別です。次のような点を記録しておくと、自分で見直すときにも、健診や相談の場で話すときにも役立ちます。
- 1日に食事を何回、どのくらい食べたか(ひと口程度か、半分程度か)
- ミルク・母乳を飲んだ時間と回数
- 食べたもの・食べなかったものの形状(ペースト、やわらかい固形、手づかみなど)
- 機嫌、睡眠、うんちの様子、母子手帳の体重の記録
ミルク・母乳ばかりになる主な理由
「食べない」の背景は1つとは限りません。よくある理由と、見直すポイントを整理します。
| よくある理由 | 見直すポイント |
|---|---|
| 食事の直前にミルク・母乳を飲んでいて、おなかがすいていない | 食事と授乳の間隔をあける。食事の後に飲む流れにする |
| 食事の形状が今の口の動きに合っていない | やわらかすぎ・かたすぎ・大きすぎを見直す。歯ぐきでつぶせるかたさが目安 |
| 自分で食べたい気持ちが強い | スプーンで運ぶより、手づかみできるメニューを1品入れる |
| 生活リズムが日によってばらばら | 起床・食事・昼寝の時間をおおまかにそろえる |
| 体調不良や歯の生え始めなど一時的なもの | 無理に食べさせず、水分がとれているかを優先して見る |
| 味やにおい、舌ざわりの好みがはっきりしてきた | 同じ食材でも調理法を変える。だしのうま味で薄味のまま食べやすくする |
特に多いのが、1つ目の「食事の前に飲んでいる」パターンです。ミルクや母乳は、子どもにとって慣れた安心できる栄養源です。おなかが満たされていれば、新しい食感の食事に手を伸ばす理由がなくなるのは自然なことです。
食事とミルクのバランスの見直し方
手順1:授乳と食事の順番を入れ替える
まず取り組みやすいのが「食事が先、ミルクや母乳は後」という順番にすることです。食事の直前の授乳を少し後ろにずらし、食事を終えてから飲む流れにすると、食事のときにおなかがすいた状態をつくりやすくなります。
手順2:急に量を減らさない
食べてほしいからといって、ミルクや母乳を一度に大きく減らすと、食事も進まないまま水分やエネルギーが不足するおそれがあります。順番や時間を変えて食事の量が少しずつ増えてきたら、それに合わせて授乳を調整していくイメージです。
手順3:断乳・卒乳は家庭のペースで
「断乳すれば食べるようになる」と聞くこともありますが、時期や方法は家庭の状況によってさまざまです。授乳が親子の安心の時間になっている場合もあります。迷う場合は、乳幼児健診や自治体の栄養相談、かかりつけの小児科で、今の食事量と体重の様子を伝えて相談すると判断しやすくなります。
フォローアップミルクを使うかどうか
食事が進まないときにフォローアップミルクを検討する方もいます。使うかどうか、どのくらい使うかは、食事の状況やお子さまの様子によって考え方が変わります。自己判断で量を増やすより、かかりつけ医や栄養相談の場で確認するのが安心です。
見直しは一度に全部やらなくて大丈夫です。「食事の前に飲ませない」「手づかみメニューを1品入れる」など、1つずつ試して数日〜1週間ほど様子を見ると、何が合っていたのか分かりやすくなります。
食べる量が少ない時期の栄養の考え方
鉄は意識したい栄養素
鉄は、乳児期後半から幼児期にかけて不足しやすい栄養素とされています。食事量が少ない時期は、少ない量の中に鉄を含む食材を入れることを意識してみてください。赤身の魚や肉、卵、大豆製品、小松菜などの青菜は、離乳食で取り入れやすい食材です。量よりも「毎日どこかに入っている」状態を目指すと続けやすくなります。
牛乳の飲みすぎにも目を向ける
牛乳やミルクを多く飲んでいると、それだけでおなかが満たされ、食事の量が減ることがあると一般に言われています。食事の量が増えてこないときは、1日のうちで飲み物からとっている量が多すぎないかも見直してみてください。牛乳を飲み物として取り入れる時期や量に迷う場合も、健診や相談の場で確認できます。
食べられたものを「主食+1品」から広げる
食べられる品数が少ないときは、主食(おかゆ、やわらかいご飯、うどん、パンなど)に、食べられたおかずを1品組み合わせることから始めます。食べ慣れた主食に、少量の野菜や魚、卵などを混ぜ込むのも1つの方法です。だしのうま味をきかせると、薄味のままでも食べやすくなることがあります。
はちみつは1歳未満の赤ちゃんには与えないでください(乳児ボツリヌス症のおそれ)。1歳前後で甘みを足したいときは、果物やさつまいも、かぼちゃなど素材の甘みを使うと安心です。
受診・相談の目安
食べる量には波があり、数日食べなくても元気に過ごしていれば、焦らなくてよいことも多いものです。ただし、次のような様子がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の保健センターに相談してください。
- 体重が増えていない、または減っている(母子手帳の体重のグラフに記入して気になる)
- ミルクや母乳、水分も飲みたがらない。おしっこの回数が明らかに少ない
- ぐったりしている、発熱や嘔吐・下痢が続くなど、体調の変化がある
- 食べるたびにむせる、飲み込みにくそう、口に入れても出してしまうことが続く
- 特定の食材を食べた後に、口のまわりの赤み・じんましん・嘔吐などが出た
- 食事の時間が親子ともにつらく、どうしたらよいか分からない
最後の項目も立派な相談理由です。乳幼児健診のほか、自治体によっては栄養士による離乳食相談の日が設けられています。「こんなことで相談していいのかな」と思う内容でも、話しておくと見通しが立てやすくなります。
離乳食が完了したあとの選択肢
離乳食が完了して幼児食に移ってからも、食べムラや好き嫌いが続く子はいます。そのときに、食事の栄養バランスを考える一助として、普段飲んでいる牛乳や植物性ミルクに栄養パウダーを溶かすという選択肢もあります。
ただし、これはあくまで離乳食を完了した後の話です。今まさに離乳食を進めている時期は、ここまでに紹介したように、ミルクと食事のバランスや形状を見直すことを優先してください。また、栄養パウダーは食事やミルク・母乳の代わりになるものではありません。
離乳食が完了したら:フルーツ・オレ味
はぐくみユーグレナの「フルーツ・オレ味」は、ユーグレナに野菜・果物の粉末などを合わせ、59種の栄養素を配合した粉末です。1杯(約4g)あたりカルシウム100mg、鉄1.7mgで、冷たい牛乳や植物性ミルク100〜150mlに小さじ1杯溶かして飲めます。甘みは黒糖で、白砂糖は使っていません。
対象は離乳食を完了したお子さまです。離乳食期のお子さまには使わず、食事の代わりではなく普段の食事に添える形で、様子を見ながらお使いください。乳成分・りんご・大豆・バナナを含みます。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 1歳なのに離乳食をほとんど食べません。遅れているのでしょうか?
A. 離乳の完了は12〜18か月頃が目安で、進み方には個人差があります。1歳の時点でまだ食事の量が少なくても、それだけで遅れていると決めつける必要はありません。体重の増え方や元気さを見ながら、気になる場合は健診や小児科で相談してください。
Q. ミルクばかり飲むので、ミルクを減らしたほうがいいですか?
A. まずは量を急に減らすより、食事を先にしてミルクや母乳を後にするなど、順番や時間を見直すのがおすすめです。食事の量が少しずつ増えてきたら、それに合わせて調整していきます。
Q. 食べない時期は、どんな栄養を意識すればいいですか?
A. 鉄は乳児期後半から幼児期に不足しやすい栄養素とされています。赤身の魚や肉、卵、大豆製品、青菜などを、少量でも毎日どこかに入れることを意識してみてください。
Q. フルーツ・オレ味は1歳の子に使えますか?
A. 対象は離乳食を完了したお子さまです。離乳食を進めている時期には使わず、完了後に普段の牛乳や植物性ミルクに溶かして、食事に添える形でお使いください。食事やミルク・母乳の代わりにはなりません。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。