
1歳のうどんのだしは、かつお・昆布・煮干し・野菜などの「味付けをしていないだし」を基本にし、しょうゆや塩を足すなら大人の半分以下の薄さにとどめます。大人のうどんから取り分けるときは、味付けをする前のだしを先に取り分けるのが最も簡単で、味付け後のつゆなら水やだしで薄めて使います。手作りだしと市販の粉末だしの使い分け、だしの濃さと塩分の考え方、1歳のうどんの具材と固さの目安を、だしメーカーの立場から具体的に解説します。
目次
1歳のうどんのだしは「味付け前のだし」が基本
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、1歳前後は離乳の完了期(12〜18か月頃)にあたり、素材の味を生かし、だし(昆布・かつお等)のうま味を活用して薄味にすることがすすめられています。1歳のうどんでも考え方は同じで、だしのうま味を主役にし、調味料は「使わない」か「ごく少量」にとどめます。
うどんは麺そのものに食塩を含む商品が多く、さらにつゆで味付けすると塩分が重なります。だしをしっかりきかせると、しょうゆや塩が少なくても物足りなさを感じにくいため、1歳のうどんでは「だしを濃くする」より「だしの香りとうま味で食べさせる」と考えると迷いにくくなります。
- だし:かつお・昆布・煮干し・野菜など、味付けしていないもの
- 調味料:使わない、または大人の半分以下の薄さ(しょうゆ数滴程度)
- 麺:ゆでたあと水で洗い、麺に含まれる塩分を落とす
なお、1歳といっても完了期の前半(1歳〜1歳半頃)と、離乳食が完了した後(1歳半頃〜)では食べられる固さや味の幅が変わります。進み方には個人差があるので、月齢ではなくお子さまの様子を基準に調節してください。
手作りだしの作り方(かつお・昆布・煮干し・野菜)
1歳のうどんに使うだしは、特別な作り方は必要ありません。大人用と同じ材料で、味付けをする前に取り分ければ使えます。うどん1人分に必要なだしは100〜150mlほどなので、まとめて作って冷凍しておくと平日に便利です。
| だしの種類 | 作り方の要点 | うどんとの相性 |
|---|---|---|
| かつおだし | 沸騰した湯にかつお節を入れ、火を止めて1〜2分おき、こす | 香りが立ち、うどんの定番。魚アレルギーの確認を済ませてから |
| 昆布だし | 水に昆布を30分以上つけ、弱火で温めて沸騰直前に取り出す | やさしい味。毎日濃く使い続けず、他のだしと組み合わせる |
| 煮干しだし | 頭と内臓を取り、水につけてから弱火で煮出し、こす | うま味が強い。煮干しの塩分があるので濃くしすぎない |
| 野菜だし | 玉ねぎ・にんじん・キャベツなどを水から煮て、煮汁を使う | 甘みが出る。魚のだしが使えない時期の代わりにも |
かつおと昆布の合わせだし(基本)
- 鍋に水500mlと昆布5cm角1枚を入れ、30分以上おく
- 弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す
- 沸騰したらかつお節ひとつかみ(約10g)を入れ、火を止めて1〜2分おく
- キッチンペーパーを敷いたざるでこす
こしただしは冷まして製氷皿に入れ、凍ったら保存袋に移します。使うときは必要な数だけ鍋に入れて温めます。冷凍したものは1週間程度を目安に使い切ってください。詳しい手順と保存は離乳食のだし汁の作り方と冷凍保存で解説しています。
昆布はヨウ素を多く含む食品です。昆布だしを毎日濃く、大量に使い続けるのは避け、かつお・煮干し・野菜だしなどと組み合わせてください。かつお・煮干しは魚のアレルギーが心配な場合、かかりつけの小児科に相談のうえ少量から確認してください。
大人のうどんから取り分ける手順
家族でうどんを食べる日は、1歳の分を別に作るより「取り分け」が現実的です。取り分けのタイミングを味付けの前にするか後にするかで、手順が変わります。
手順A:味付け前のだしから取り分ける(おすすめ)
- だしを取ったら、大人用に味付けする前に1歳分(100〜150ml)を小鍋に取り分ける
- うどんは大人と一緒にゆで、1歳分だけ流水で洗って塩分を落とし、1〜2cmに切る
- 小鍋のだしで、切ったうどんと具材をやわらかくなるまで煮る
- 味をみて、物足りなければしょうゆを数滴だけ加える(加えなくてもよい)
- 残りのだしに大人用の調味料を加えて仕上げる
この順番なら1歳分には調味料が入らず、大人の味付けは普段どおりにできます。
手順B:味付け後のつゆを薄めて使う
すでに味付けしたつゆしかない場合は、つゆを水やだしで薄めます。目安は「つゆ1に対して水またはだし1〜2」で、大人のつゆの半分〜3分の1の濃さにします。薄めただしでうどんを一度煮直すと、麺にも薄い味がなじみます。
めんつゆ(市販の濃縮タイプ)は、大人用に希釈した状態でも1歳にはまだ濃いことが多いので、希釈後のつゆをさらに水やだしで薄めてください。表示の「食塩相当量」を確認すると、どのくらい薄めればよいか判断しやすくなります。
幼児食全体の取り分けの考え方は幼児食レシピは取り分けで|だしで薄味にする手順と作り置きでまとめています。
だしの濃さと塩分の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、食塩相当量の目標量は1〜2歳で1日3.0g未満とされています。1日3食で割ると1食あたり1g程度が上限の目安で、ここにはパンやうどんの麺そのもの、ふりかけ、おやつなど、調味料以外の塩分も含まれます。
うどん1食で考えると、麺に含まれる塩分(ゆでて水で洗うと減らせます)に加えて、つゆの塩分がかかります。味付け前のだしを使えばつゆ側の塩分はほぼだしの材料由来だけになり、しょうゆを数滴足しても1食の目安に収めやすくなります。
濃さの調整は「だし」と「調味料」を分けて考える
- だしの濃さ:濃くしても塩分はあまり増えない(煮干し・市販だしは例外)。香りが強すぎて食べない場合は水で薄める
- 調味料の量:塩分に直結する。しょうゆなら数滴、味噌なら小さじ4分の1程度から
- 麺の塩分:ゆでたあと流水で洗う。食塩を加えていないうどんを選ぶ方法もある
汁まで飲み干すと塩分をとりすぎやすいので、うどんは汁を少なめにする、または具とうどんだけをお皿にとって汁は残す形にすると調整しやすくなります。幼児食の塩分の考え方と計算例は幼児食の味付けと塩分の目安をご覧ください。
市販のだしを1歳のうどんに使うときの見方
毎回だしを取るのが難しい日は、市販の粉末だし・顆粒だし・だしパックを使っても構いません。ただし、市販のだしは商品によって食塩の量に大きな差があるため、1歳に使うときは「表示」を見る習慣が大切です。
確認する3つの表示
| 見る場所 | 確認すること | 1歳での考え方 |
|---|---|---|
| 食塩相当量 | 1杯(1袋)あたりの数値。「100gあたり」表示なら1回分に換算する | 1食の目安(1g程度)に対して、だしだけで多くを占めないか確認 |
| 原材料名 | 先頭に「食塩」があるか、砂糖・調味料(アミノ酸等)の有無 | 先頭が食塩のものは、だしというより調味料として考える |
| アレルギー表示 | 小麦・大豆・乳成分・さば など | まだ食べていない食材が含まれていないか |
うどんに使う場合、分量の目安はパッケージの表示を基準にしつつ、1歳には表示より薄めに溶かして様子をみると安全側です。大人向けのだしをそのまま表示どおりに使うと、だし自体の塩分で1食の目安に近づくことがあります。
手作りだしと市販だしの使い分け
- 時間がある日・まとめ作り:手作りだしを冷凍ストック。塩分をほぼ気にせず使える
- 平日の夕方・急いでいる日:市販の粉末だしを薄めに溶いて使う。食塩相当量を確認して量を決める
市販のだしを食塩相当量で比べた記事は離乳食のだし市販のおすすめ|粉末・顆粒・パックを食塩相当量で比較に、表示の読み方は離乳食の市販だしの表示の見方にまとめています。
1歳のうどんの具材・固さ・長さの目安
だしが決まったら、具材と麺の状態を1歳に合わせます。完了期は歯ぐきでかみつぶせる固さが目安で、形のある食べ物をかみつぶせるようになり、栄養の大部分を母乳・ミルク以外からとれる状態が「離乳の完了」とされています。
麺の長さと固さ
- 1歳〜1歳半頃:1〜2cmに切り、指でつぶせるくらいまでやわらかく煮る
- 1歳半頃〜:3〜5cmに切り、前歯でかみ切れる程度。すすって食べる練習にも
- ゆで麺・冷凍うどんは、袋の表示より長めにゆでるとやわらかくなる
だしに合う具材の例
- 野菜:にんじん・大根・玉ねぎ・白菜・小松菜。だしで煮ると甘みが出る
- たんぱく質:豆腐、鶏ささみ、しらす(塩抜き)、溶き卵(中心までしっかり加熱)
- とろみ:水溶き片栗粉で軽くとろみをつけると、麺と具がまとまり食べやすい
うどん以外の味付けの変化のつけ方は離乳食の味付けレパートリー|うどん・スープ・卵・ご飯ものでも紹介しています。
よくある迷い
だしの味をきかせても食べないとき
かつおの香りが強いと嫌がるお子さまもいます。昆布だし・野菜だしに替える、だしを水で薄める、とろみをつけて温度を少し下げる、といった変更を一つずつ試してください。固さや量が理由のことも多いので、麺の長さややわらかさも見直します。
外食のうどんは食べさせてよいか
外食のうどんはつゆが濃いことが多いため、麺だけを取り分けて持参しただしやお湯で薄める、つゆにつけずに麺と具だけを少量にする、といった工夫で対応できます。汁は飲ませないようにします。
だしを冷凍・作り置きするとき
手作りだしは製氷皿で凍らせ、1週間程度で使い切ります。粉末だしで作ったうどんのつゆも、冷ました状態で冷蔵1日程度を目安にし、再加熱して使います。だしと麺は別々に保存し、食べる直前に合わせると伸びにくくなります。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味にユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。水80mlに小さじ1杯(約2.5g)が基本で、うどん・味噌汁・煮物・卵焼きに小さじ1杯加えるだけでも使えます。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、カルシウム100mg、鉄1.7mgです。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半ごろ〜が目安)です。完了期の間は手作りだしや薄めた市販だしで進め、離乳食が完了したら普段のうどんにひとさじ加える、という次のステップとしてご検討ください。様子を見ながら量・濃さを調節し、小麦・大豆・乳成分を含む点にご注意ください。食物繊維を使用しているため、便がゆるくなる場合があります。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 1歳のうどんにめんつゆを使ってもいいですか?
A. 使うなら、大人用に希釈したつゆをさらに水やだしで1〜2倍に薄めてください。めんつゆは食塩と砂糖を含むため、1歳のうちはだしだけで味をつけ、物足りないときにしょうゆを数滴足す方法のほうが塩分を抑えやすくなります。
Q. 大人のうどんのだしをそのまま使えますか?
A. 味付けをする前のだしであれば、そのまま使えます。しょうゆや塩を加えたあとのつゆは、水やだしで半分〜3分の1の濃さに薄めてから使ってください。
Q. 市販の粉末だしは1歳のうどんに使えますか?
A. 使えます。1回分あたりの食塩相当量と原材料名を確認し、1歳には表示の分量より薄めに溶かして使います。原材料の先頭が食塩の商品は、だしというより調味料として量を控えてください。
Q. うどんは毎回水で洗う必要がありますか?
A. 麺に食塩を含む商品は、ゆでたあと流水で洗うと塩分を減らせます。食塩を加えていないうどんであれば洗わなくても構いません。パッケージの原材料名で確認してください。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。