
離乳食完了期(12〜18か月頃)の味付けは、大人の料理を「味付け前に取り分けて、必要なら少量だけ足す」が基本です。目安になるのは、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」が示す1〜2歳の食塩相当量の目標量「1日3.0g未満」。1日3食で割ると1食あたり1g未満の枠になり、この中にパンや麺、加工食品の食塩も含めて考えます。この記事では、11か月〜1歳半の味付けを、3.0gから逆算する計算例と、スープ・取り分けの具体的な手順で解説します。
目次
完了期(11か月〜1歳半)はどんな時期か
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳の進み方の目安を初期(5〜6か月)・中期(7〜8か月)・後期(9〜11か月)・完了期(12〜18か月)としています。11か月は後期の終わりにあたり、1歳前後から完了期へ移っていきます。
離乳の完了とは、形のある食べ物をかみつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳・ミルク以外からとれるようになった状態で、12〜18か月頃が目安です。つまり完了期は「大人と同じ食卓から取り分ける機会が一気に増える時期」で、味付けの考え方を大人基準から切り離しておく必要があります。
進み方には個人差があるので、月齢だけで決めず、食べている形態や量、お子さまの様子に合わせて調整してください。月齢ごとの全体像は離乳食の味付け月齢別早見表にまとめています。この記事では完了期に絞り、量の決め方を具体的に掘り下げます。
完了期の味付けの目安
完了期の味付けは、月齢で3段階に分けて考えると判断しやすくなります。
| 時期の目安 | 調味料の考え方 | 味の土台 |
|---|---|---|
| 11か月(後期の終わり) | 必要なときだけ、ごく少量の風味づけ | だしのうま味。調味料は「入れない日」があってよい |
| 1歳〜1歳半(完了期) | 味付け前に取り分け、必要なら少量を足す | だしで煮含めた素材の味。大人が物足りないと感じる濃さ |
| 離乳完了後(1歳半頃〜) | 薄味を続けつつ、1日3.0g未満の枠で配分 | だしのうま味+香り(青のり・ごま・柑橘など) |
支援ガイドでは、初期は調味料が不要で、素材の味を生かし、だし(昆布・かつお等)のうま味を活用して薄味にすることがすすめられています。完了期になっても、この「うま味で満足感をつくり、塩味は後から少し」という順番は変わりません。
完了期の味付けで大切なのは「調味料を使うかどうか」より「どれだけ使うか」です。使う量を感覚ではなく、1日の食塩相当量の枠から逆算して決めると迷いが減ります。
「1日3.0g未満」から逆算する
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、食塩相当量の目標量を1〜2歳で1日3.0g未満、3〜5歳で1日3.5g未満としています。1歳未満はこれよりさらに控えめが前提なので、11か月の時点では「1歳の枠にも余裕をもって収まる量」を意識すると安心です。
1日の枠を1食の枠に直す
3.0gは1日の合計です。朝・昼・夕の3食と補食(おやつ)に分けると、1食あたりの枠は単純計算で1g未満になります。実際には補食にも食塩を含むもの(パン、チーズ、せんべいなど)があるので、1食分はもう少し小さく見ておくのが現実的です。なお、国の目標量は1日あたりの値で、1食あたりの値は示されていません。下の表は計算上の参考値です。
| 考え方 | 計算 | 単純計算の値 |
|---|---|---|
| 1日の目標量(1〜2歳) | — | 3.0g未満 |
| 3食で均等に割る | 3.0 ÷ 3 | 1食あたり1.0g未満 |
| 補食を含めて4回で割る | 3.0 ÷ 4 | 1回あたり0.75g未満 |
食塩は「調味料」以外からも入る
この枠に入るのは、家庭で加える塩・しょうゆ・味噌だけではありません。パンやうどんなどの主食、チーズ・しらす・練り物・ハムなどの加工食品、市販のベビーフードやスープにも食塩が含まれています。完了期は食べる種類が広がるので、「調味料を減らしたのに枠が埋まる」ことが起こりやすくなります。食品の食塩相当量はパッケージの栄養成分表示で確認できますが、「100gあたり」「1食あたり」など基準量が商品ごとに違うため、必ず基準量を見てから換算します。
食塩相当量の計算例
ここからは、実際に数字を使って計算してみます。使う数字は、公的な目標量と、当社の「かつおと昆布のうまみだし」の表示値(1杯2.5gあたり食塩相当量0.145g)です。ほかの食品はお手元の商品の表示で置き換えてください。
計算式
食品の食塩相当量は、次の式で1回分に換算できます。
1回分の食塩相当量 = 表示の食塩相当量 ÷ 表示の基準量 × 実際に使う量
たとえば「100gあたり」で表示されている食品を30g使うなら、表示の値に 30 ÷ 100 をかけます。「大さじ1あたり」で表示されている調味料を小さじ1使うなら、表示の値を3で割ります(大さじ1=小さじ3)。
例1:だしを1杯使ったときの枠の残り
「かつおと昆布のうまみだし」を1杯(2.5g)使うと、食塩相当量は0.145gです。1〜2歳の目標量3.0gに対しては、0.145 ÷ 3.0 × 100 ≒ 4.8% にあたります。
| 使い方 | 食塩相当量 | 3.0gに対する割合 |
|---|---|---|
| 1杯(2.5g) | 0.145g | 約4.8%(残り約2.85g) |
| 半量(約1.25g) | 約0.07g | 約2.4%(残り約2.93g) |
| 1杯を3食に分けて使う | 1食あたり約0.05g | 1食の枠1.0gの約5% |
だしの食塩相当量は1日の枠の中では小さい部類ですが、ゼロではないので「だしの分を引いた残りで、ほかの食品と調味料をやりくりする」と考えます。なお、この商品の対象は離乳食を完了したお子さまです。離乳食期は、お使いのだしの表示値で同じ式に当てはめてください。
例2:取り分けた1食の積み上げ
取り分けた1食でどのくらい枠を使うかは、次の順で足し算します。
- 主食の食塩相当量(白いご飯はほぼゼロ、パンや麺は表示で確認)
- 汁物・煮物に使っただしの食塩相当量(表示から換算)
- 加工食品(チーズ・しらす・練り物など)の食塩相当量(表示から換算)
- 子どもの分に後から足した調味料の食塩相当量(表示から換算)
合計が1食の枠(1.0g未満、補食を含めるなら0.75g未満)に収まっていれば、1日全体でも3.0g未満に収めやすくなります。毎食計算する必要はありませんが、よく出す献立で一度計算しておくと、「この組み合わせなら調味料は足さなくていい」「パンの日は加工食品を控える」と判断しやすくなります。
例3:調味料は「表示の基準量」で割る
しょうゆや味噌は、ラベルに「大さじ1あたり」「100gあたり」などで食塩相当量が書かれています。小さじ1(5ml)なら大さじ1あたりの表示値を3で割ります。完了期に加える調味料は「小さじ1より少ない」範囲が目安です。
後期〜完了期のスープの味付け
後期(9〜11か月)から完了期にかけて、スープや汁物は献立の定番になります。汁物は食塩が汁に溶けているため、汁を多く飲むと食塩が増えやすい料理でもあります。次の順番で味をつけると、薄味でも満足感を出しやすくなります。
- だしをしっかりとる:昆布・かつお・野菜のだしでうま味の土台をつくります。
- 具を多めにする:野菜・豆腐・白身魚などを多めに入れ、汁の量を減らします。
- 11か月までは調味料なしで試す:だしと具の甘みだけで食べるなら、調味料は不要です。
- 1歳以降は仕上げに少量:味噌やしょうゆを使うなら、子どもの器に取り分けてから、ごく少量を加えて味を見ます。
- 汁は残してよい:全部飲まなくて大丈夫です。具を中心に食べる習慣をつけると、汁から入る食塩を抑えやすくなります。
昆布はヨウ素を多く含むため、昆布だしだけを毎日濃く使い続けるのは避け、かつお・煮干し・野菜のだしと組み合わせてください。また、はちみつは1歳未満には与えません。
取り分けの手順(味噌汁・煮物・うどん)
完了期は「別に作る」より「大人の料理を味付け前に取り分ける」方が続けやすい方法です。代表的な3品で手順を示します。
味噌汁
- だしで具を煮る(この段階では味噌を入れない)
- 子どもの分を具多めに取り分ける
- 子どもの分には、1歳以降なら味噌をごく少量溶かす(11か月までは入れない)
- 鍋に残った大人の分に、通常どおり味噌を溶く
煮物
- だしで野菜や鶏肉をやわらかく煮る
- 子どもの分を取り分け、食べやすい大きさに切る
- 子どもの分は、だしの味をそのままか、しょうゆを数滴程度
- 大人の分に調味料を加えて煮含める
うどん
- うどんは表示の食塩相当量を確認し、ゆでた後にゆで汁を捨てる
- だしで野菜と一緒に煮て、子どもの分を取り分ける
- 子どもの分は、だしの味を主役に。つゆは少なめにして具とめんを中心に
- 大人の分は、残ったつゆに調味料を加える
うどんのだしの作り方や量は1歳のうどんのだしの作り方で詳しく解説しています。献立全体の取り分けは幼児食レシピは取り分けでも参考にしてください。
迷いやすいポイント
11か月で味付けを始めないと、食べなくなりますか
11か月で味付けを急ぐ必要はありません。この時期に「食べない」理由は、味よりも形態(かたさ・大きさ)や食事のリズム、手づかみしたい気持ちであることが多いものです。調味料を増やす前に、だしの種類を変える、具の甘みを生かす、手づかみできる形にするなど、味付け以外の工夫を先に試してみてください。
1歳になったら、調味料は何から使えばよいですか
しょうゆや味噌は小麦・大豆を含むことが多いので、初めて使うときは1種類ずつ、少量から様子を見ます。ケチャップやソースは食塩のほかに糖分も多いため、完了期では「使わない」か「ごく少量」で十分です。
市販のベビーフードや外食は、どう数えればよいですか
市販のベビーフードは1食あたりの食塩相当量が表示されていることが多いので、そのまま1食の枠に当てはめます。外食は表示がない場合がほとんどなので、「汁は飲まない」「味の濃いものは少量にとどめる」「その日のほかの食事を薄味にする」で1日全体のバランスをとります。
だしを使えば塩分はゼロになりますか
市販の粉末・顆粒・液体のだしには食塩を含むものがあります。使う前に表示の食塩相当量を確認し、1日の合計に入れて考えてください。だしの役割は「食塩をゼロにする」ことではなく、「うま味で満足感をつくり、後から足す調味料を減らせるようにする」ことです。
離乳食が完了したら:かつおと昆布のうまみだし
はぐくみユーグレナの「かつおと昆布のうまみだし」は、かつおと昆布のうま味に、ユーグレナをはじめ36種の栄養素を配合した粉末だしです。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145g、カルシウム100mg、鉄1.7mg。水80mlに小さじ1杯溶かすほか、味噌汁・煮物・うどん・卵焼きに小さじ1杯加えるだけで使えます。
対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半頃〜が目安)です。離乳食期には使わず、完了後に様子を見ながら量や濃さを調節してください。小麦・大豆・乳成分を含みます。食物繊維を使用しているため、便がゆるくなる場合があります。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 離乳食完了期の味付けは、どのくらいの量が目安ですか?
A. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」の1〜2歳の食塩相当量の目標量は1日3.0g未満です。3食で割ると1食あたり1g未満の枠になり、パン・麺・加工食品に含まれる食塩もこの中で考えます。家庭で加える調味料は、大人の料理を味付け前に取り分けてから、小さじ1より少ない範囲で足すのが目安です。
Q. 11か月の離乳食に調味料は必要ですか?
A. 11か月は後期の終わりで、調味料は必要なときだけごく少量の風味づけにとどめる時期です。だしのうま味と具材の甘みで食べられるなら、調味料は入れなくて大丈夫です。1歳未満は1〜2歳の目標量よりさらに控えめが前提と考えてください。
Q. 1歳の味付けで、だしの食塩相当量はどう計算しますか?
A. 「表示の食塩相当量 ÷ 表示の基準量 × 実際に使う量」で1回分に換算します。たとえば当社のうまみだしは1杯(2.5g)あたり0.145gで、1〜2歳の目標量3.0gの約4.8%にあたります。この分を引いた残りで、ほかの食品と調味料を配分します。
Q. 後期・完了期のスープは、どうやって味付けすればいいですか?
A. だしをしっかりとり、具を多めにして汁の量を減らすのが基本です。11か月までは調味料なしで試し、1歳以降は子どもの器に取り分けてから味噌やしょうゆをごく少量加えます。汁は全部飲まなくて大丈夫です。
Q. 完了期に「かつおと昆布のうまみだし」は使えますか?
A. 対象は離乳食を完了したお子さま(1歳半頃〜が目安)です。離乳食期には使わず、完了後に様子を見ながら量や濃さを調節してください。1杯(2.5g)あたり食塩相当量0.145gで、食塩ゼロではないため1日の合計に含めて考えます。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。