
子供の鉄分は、まず毎日の食事の中で「鉄を含む食品を、食べやすい形で少しずつ」取り入れることが基本です。幼児期は鉄が不足しやすい時期とされていますが、不足しているかどうかは見た目だけでは分からず、血液検査などで医師が判断するものです。この記事では、レバーや赤身の肉・魚を食べない子への工夫、牛乳の飲みすぎとの関係、小児科に相談したほうがよい様子の目安をまとめます。
目次
幼児期に鉄が不足しやすいといわれる理由
鉄は、乳児期の後半から幼児期にかけて不足しやすい栄養素とされています。体が日々大きくなっていく時期で必要とする栄養が多い一方、幼児の食事にはいくつかの「とりにくさ」が重なりやすいためです。
- 食べる量が少ない・ムラがある:1回に食べられる量が限られ、日によって食べる量が大きく変わります。
- 鉄を多く含む食品を嫌がりやすい:赤身の肉や魚、レバー、青菜などは、かたさ・におい・苦味から避けられがちです。
- 飲み物でお腹がいっぱいになる:牛乳やジュースを多く飲むと、食事そのものの量が減ることがあります。
- 主食やおやつに偏る:ご飯・パン・麺や甘いものが中心になると、おかずからとる栄養が少なくなります。
1日にどのくらいの鉄が必要かは、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」で年齢・性別ごとに示されています。本記事では具体的な数値は扱わず、毎日の食事で無理なく取り入れる方法に絞って解説します。数値の確認や個別の相談は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談を利用してください。
鉄を含む食品と幼児向けの取り入れ方
鉄は、肉・魚・卵などの動物性食品と、大豆製品・青菜などの植物性食品の両方に含まれています。どれか1つに頼るより、いろいろな食品を少しずつ組み合わせるほうが、好き嫌いがあっても続けやすくなります。
| 食品のグループ | 例 | 幼児向けの取り入れ方 |
|---|---|---|
| 赤身の肉 | 牛肉・豚肉の赤身 | ひき肉でそぼろやハンバーグに。薄切りを細かく刻む |
| 赤身の魚 | かつお・まぐろ・いわし | ほぐしてご飯に混ぜる。つみれにして汁物へ |
| レバー | 鶏レバー・豚レバー | 少量をハンバーグやそぼろに混ぜる。頻度は控えめに |
| 貝類 | あさり | 細かく刻んで味噌汁や炊き込みご飯に |
| 卵 | 卵黄を含む卵料理 | 卵焼き・炒り卵・茶わん蒸し |
| 大豆製品 | 納豆・豆腐・きなこ | 納豆ご飯、豆腐の味噌汁、きなこをヨーグルトやトーストに |
| 青菜 | 小松菜・ほうれん草 | ゆでて細かく刻み、卵焼きや混ぜご飯に |
レバーはビタミンAも多く含む食品です。毎日たくさん食べさせるのではなく、ときどき少量を料理に混ぜる程度にしておくと安心です。また、ツナ缶や魚の缶詰、加工肉は食塩を含むものが多いため、量と頻度に気をつけてください。
レバー・赤身の肉や魚を食べない子の工夫
肉がかたくて嫌がる場合
幼児が肉を嫌がる理由で多いのは、かみ切りにくさやパサつきです。ひき肉を使う、薄切り肉を細かく刻んで片栗粉をまぶしてから加熱する、とろみのある煮物にするなど、口の中でまとまりやすい形にすると食べやすくなります。
魚のにおいや骨を嫌がる場合
骨を取り除いてほぐした魚をご飯に混ぜる、つみれや魚のハンバーグにする、ふりかけ状にするなど、見た目が「魚」に見えない形から始める方法があります。かつおや昆布のだしで煮ると、においが気になりにくくなります。
レバーをどうしても食べない場合
レバーを無理に食べさせる必要はありません。赤身の肉や魚、卵、大豆製品、青菜など、ほかの食品を組み合わせれば、レバーを使わなくても鉄を含む食事は組み立てられます。
青菜の苦味が苦手な場合
ゆでてから水にさらし、細かく刻んで卵焼き・お好み焼き・混ぜご飯などに入れると、苦味や食感が目立ちにくくなります。好きな料理に「少しだけ混ぜる」を繰り返すのが続けやすい方法です。
1日の献立で考える鉄のとり方
1食で完璧を目指すより、1日の3食とおやつの中で鉄を含む食品が何回か登場するように考えると、組み立てが楽になります。下は一例です。
| 食事 | 献立の例 | 鉄を含む食品 |
|---|---|---|
| 朝 | 納豆ご飯、豆腐とわかめの味噌汁 | 納豆・豆腐 |
| 昼 | 鶏ひき肉と小松菜の混ぜうどん | ひき肉・小松菜 |
| おやつ | きなこヨーグルト、果物 | きなこ |
| 夕 | かつおのそぼろご飯、卵焼き、野菜の煮物 | かつお・卵 |
主食・主菜・副菜がそろう日を少しずつ増やしていくと、鉄だけでなく、たんぱく質やビタミンなどほかの栄養もとりやすくなります。食べない日があっても、数日〜1週間単位で振り返れば十分です。
牛乳の飲みすぎとの関係
牛乳はカルシウムやたんぱく質をとりやすい飲み物ですが、たくさん飲むとお腹がいっぱいになり、食事の量が減ることがあると一般に言われています。食事から鉄をとる機会が減ってしまうため、牛乳の量そのものより「食事に影響していないか」を見るのがポイントです。
- 食事の直前や食事中に牛乳をたくさん飲ませない
- コップ1杯など、1回に出す量をあらかじめ決めておく
- のどが渇いたときの飲み物は、水や麦茶を基本にする
- 哺乳びんでの授乳が長く続いている場合は、かかりつけ医や健診で相談する
小児科に相談したい様子の目安
次のような様子が続く場合は、家庭で判断せず小児科を受診してください。これらは鉄不足に限らず、ほかの原因でも起こるものです。鉄が足りているかどうかは、医師が診察や血液検査などで判断します。
- 顔色が悪い、青白く見える日が続く
- 疲れやすく、以前より遊びが続かない、すぐ横になりたがる
- 機嫌の悪さや食欲のなさが続いている
- 体重が増えない、または減っている(母子健康手帳の身長・体重のグラフから外れてきた)
- 食べられるものが極端に少なく、食事全体の量がとても少ない状態が続く
鉄は、とりすぎにも注意が必要な栄養素で、「日本人の食事摂取基準」には耐容上限量も示されています。鉄剤や鉄を多く含むサプリメントを自己判断で与えるのは避け、医師の指示に従ってください。
食事で足りない日の補い方
食べムラがある時期は、食事だけでは思うように鉄を含む食品をとれない日もあります。そのような日は、次のような方法で「いつもの食事に少し足す」ことを考えます。
- よく食べるものに混ぜる:ご飯にしらすやほぐした魚、うどんにひき肉や卵など、食べ慣れたものに鉄を含む食品を加えます。
- おやつを補食にする:きなこやヨーグルト、小さなおにぎりなど、おやつの時間を食事の延長として使います。
- 幼児向けの栄養補助食品を選ぶときは表示を見る:1回量あたりの鉄の量、エネルギーや糖質、アレルギー表示、対象年齢を確認し、食事の代わりではなく「足りない分を補う」位置づけで使います。
牛乳に混ぜる選択肢:はぐくみユーグレナ フルーツ・オレ味
「フルーツ・オレ味」は、冷たい牛乳や植物性ミルク100〜150mlに小さじ1杯(約4g)を溶かして飲む粉末です。1杯(4g)あたり鉄1.7mg、カルシウム100mg、エネルギー16kcalで、ユーグレナを含む59種の栄養素を配合しています。甘みは黒糖で、白砂糖は使っていません。食事の代わりではなく、食事の栄養バランスを考える一助としてお使いください。
対象は離乳食を完了したお子さまです。乳成分・りんご・大豆・バナナを含みます。牛乳で溶かす場合は、1日の牛乳の量が多くなりすぎないようにしてください。最新の価格は公式サイトでご確認ください。
商品の詳細を見るよくある質問
Q. 子供の鉄分不足は家庭で見分けられますか?
A. 見た目や様子だけで判断することはできません。顔色が悪い、疲れやすい、食欲がないといった様子が続く場合は、ほかの原因も含めて小児科で相談してください。鉄が足りているかどうかは、医師が診察や血液検査などで判断します。
Q. レバーを食べないと鉄は足りませんか?
A. レバーを食べなくても、赤身の肉や魚、卵、納豆・豆腐などの大豆製品、小松菜などの青菜を組み合わせることで、鉄を含む食事は組み立てられます。無理に食べさせる必要はありません。
Q. 牛乳はやめたほうがいいですか?
A. やめる必要はありません。たくさん飲むと食事の量が減ることがあると言われているため、食事の直前に飲ませない、1回の量を決めておくなど、食事に影響しない飲み方を意識してください。
Q. 鉄のサプリメントを与えてもいいですか?
A. 鉄はとりすぎにも注意が必要な栄養素です。鉄剤や鉄を多く含むサプリメントを自己判断で与えるのは避け、気になる場合は小児科で相談してください。幼児向けの栄養補助食品を使う場合も、対象年齢と1回量あたりの表示を確認し、食事を基本に考えてください。
本記事は一般的な情報です。お子さまの体調・発達・アレルギーに不安がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談にご相談ください。